数多くのアウトドアブランドがせめぎ合う中で、アークテリクスのジャケット「Zeta SL(ゼータSL)」は、本物志向の方に選ばれているジャケットです。
価格は決して安くないですが、手にしてみると選ばれる理由が納得できます。アウトドアで大活躍する機能性を持ちながら、オシャレ着としても着用できる申し分のないデザイン。
ゼータSLを実際に使ってみてた感想、着用画像も含め、ゼータSLを深堀りしていきます。
目次
「アークテリクス」とは
まずは「アークテリクス」というブランドを紐解いてみましょう。
「アークテリクス」は、クライマーであったデイブ・レインとジェレミガードが1989年にカナダで創立したブランドです。クライミング用のハーネスを製作することから始まり、現在はアウトドア用品全般を創出する会社となりました。
日本では2008年に銀座へ直営店がオープンしたことにより、徐々にアークテリクスの名が浸透しています。
アークテリクスの社名は「最古の鳥類」として知られる始祖鳥の学名から得たもので、ロゴは発見された化石の中で最も状態の良い標本をもとにデザインされたそう。
アークテリクスのモノづくりは、全て過酷な環境での経験を元に行われています。広大で過酷な環境にあり、めったに人に遭遇することのないコースト山脈、この過酷な環境を耐え抜くために生まれた、言わば「本物」がアークテリクスなのです。
研ぎ澄まされた品質と、洗練されたデザインはアウトドア界で一目置かれることは当然、タウンユースとしても、ファッションとしても注目を集めるブランドなのです。
「ZETA SL(ゼータ SL)」とは
一般的なゴアテックスの生地は「3層構造」の生地を採用しているところ、ゼータSLは2層構造の生地を採用することにより軽量化を実現しました。(詳細は下記)
更に、コンパクトに持ち運び出来る利便性から、トレッキングや旅行等で想定される自然環境に幅広く適応するなど、万能でタウンユースにも向いている嬉しいモデルなのです。
「ZETA SL(ゼータSL)」を深堀り
ここからはゼータSLを画像付きで細かく紹介していきます。
生地は「GORE-TEX パックライトプラス」使用
ゼータSLの生地は、「防水・防風・透湿性」を備えた「GORE-TEX」のPACLITE PLUS(パックライトプラス)が採用されています。
ゴアテックスの製品は、基本的に(表地・メンブレン・裏地)の3枚が接着された「3層構造」になっているのですが、「パックライトプラス」は、(表地とメンブレン)の「2層構造」で裏地を省いたことにより、軽量でコンパクト性を実現したものなのです。
そうなると「2層になったら性能が落ちるんじゃないの?」と思い勝ちですが、そうではありません。そもそも、ゴアテックスはメンブレンという層を言い、、表地と裏地はただの付属品ですので、ゴアテックスの防水・防風・透湿性には、なんら影響がないのです。
更に、「ゴアテックスパックライトプラス」は裏地に凸凹とした耐摩耗加工が施されていてます。このお陰で直接肌の上に着用しても、ベタベタした気持ち悪さを感じることはなく、レイヤーインナーとの滑りもよくなったので、袖を通す時には滑らかに着用出来るわけです。
シンプルで大人なデザイン性
ゼータSLは超シンプルで大人感満載、永く使い続けることが出来るデザインが魅力です。
左胸部分にアークテリクスの刺繍ロゴ、更に左肩にGORE-TEXの刺繍ロゴが入っています。背面やその他の部分にはロゴ等はなく、超シンプル。しかし胸元のアークテリクスの刺繍ロゴが上品に佇んでいてしっかりと存在感があります。
止水ジッパー使用で完全防水
ゼータSLは、前面と左右のポケットの計3か所にジッパーを使用していますが、全て「止水ジッパー」となっているのでジッパーからの雨や雪の侵入を完全に防ぎます。
通常のジッパーを使用し、ボタン式やマジックテープ式のフタを締めるタイプのマウンテンパーカがある中、止水ジッパーを採用することで軽量化とコンパクト化を実現しています。
特許!広げて開くジッパーがスゴイ!
実はあまり知られていないのですが、アークテリクスのジッパーは金具を持たなくても開けられる特殊な構造になっています。
過酷な環境の中で、厚手のグローブの使用や、場合によってはジッパーの金具を操作するのが困難な状況に遭遇します。そこで、アークテリクスはジッパーを引き裂くようにして開けることが出来るようにしてしまったのです。
↓このように左右引っ張ると、止水ジッパーがスルスルと開きます。
手首はベルクロ式
袖口はかなり広めの作りですが、マジックテープ式のベルクロで自分の手首に合わせて袖口を締める構造です。
手袋を装着した際もピッタリと固定して風や雨の侵入を防ぐことが出来ます。
滑らかでストレスフリーな裏地加工
ゼータSLの裏地は、ゴアテックスのメンブレンに特殊なコーティングをしたものになっています。凹凸を付けた加工で衣類との滑りが良く、直接肌に触れてもベタベタした気持ち悪さが軽減されています。
普通ならば裏地をもう一枚貼り付けたいところを、特殊なコーティングをすることにより裏地を省くことに成功、軽量化とコンパクト化、更に快適な着用感を実現したのです。
生地の縫い合わせ部分にはシームテープが貼られているのが分かります。
「ゼータSL」着用した率直な「感想」
ゼータSLを着用して、まず最初に感じたのが「軽い」ということでした。着用感が全くないと言うのは語弊がありますが、めちゃくちゃ軽いことは間違いありません。私は今までに何着か有名アウトドアブランドのマウンテンパーカーを着ていますが、ゼータSLのスペックを備えつつ、ここまで軽いものは記憶にありませんでした。
そして「着やすい」ということ。過酷な環境下で追及された「動きやすさ」が形になったものなのだと実感しました。腕の上げ下げや、身体の捻り等の動作にもまったくストレスがない構造で、着ていることを忘れる程です。
首元までしっかりとカバーされ、フードと裾に備えられたドローコードを締めれば、雨や風の侵入する隙は全く見当たりません。燕尾服のような、お尻の部分がやや長めの設計で、前に屈んだ際もしっかりとカバーしてくれますし、シルエットがとても良い。
ゴアテックスの高機能を備えながら、この軽さと動きやすさは他にはなく、私は一目ぼれでした。インナーにインナーダウンやフリースを着用すれば真冬でも活躍するジャケットになるので、春・秋・冬の3シーズンにフルに活躍するジャケットです。
私は自信を持ってアークテリクスの「ゼータSL」をオススメ出来ます。
着用画像
私は身長182㎝、体重85㎏ガッチリ型です。
アークテリクスのゼータSLは作りが大き目で、日本人にはワンサイズ小さめが良いと言われています。私は通常XLサイズを着用していますが、ゼータSLのLサイズを着用したところまさにちょうど良いサイズ感でした。
しかし、冬にしっかりめのインナー(アークテリクスのアトムAR)を着ることを考えて、少し大きめのXLサイズを購入しました。それを踏まえて着用画像をご覧下さい。
腕を上げても裾が引き上げられるような嫌な感じは全くありません。袖丈や裾丈に十分な余裕があります。
フードの形状もキレイで被ってもスタイリッシュに決まります。
裾は燕尾服のようにお尻部分が少し長めになっています。
アークテリクス保証制度がスゴイ
アークテリクスの製品には「BIRD AID」と呼ばれるオーナー保証と修理保証プログラムがあります。
商品購入から3年間は保証が適用され、万が一の故障についての修理代が購入金額の30%まで無償となるのです。
例えば、40,000円で購入したジャケットであれば、その30%つまり12,000円までが修理代金として保証されます。
製品に自信があるからこそ手厚い保証制度を実現出来たということでしょう。商品購入と同時に保証書を渡されます。↓
まとめ
アークテリクスのゼータSLについて熱弁したわけですが、余計にこのアイテムを好きになりました。このゼータSLを手にしてしまったら、しばらくはアウターを購入する必要はなくなると思います。
それほど優れた逸品だと自信を持ってお伝え出来るアイテムです。
ただ、デメリットとして価格が高い事が挙げられますが、それ以上の品質を手にすることになるのは紛れもない事実です。
【おまけ】アークテリクスの商品名を知る
アークテリクスのジャケットの商品名には「アルファ」や「ベータ」「ゼータ」「AR」や「SL」などが使われています。調べてみたので参考にして下さい。
着丈の長さで名称が違う
まず、「ベータ」「アルファ」「シータ」は丈の長さを表していることが判明ししました。
●ベータ(Beta)
着丈の長さが一番短いモデルで、タウンユース向き。
●アルファ(Alpha)
アルファとシータの間の着丈、腕が上げやすい構造でクライミング向き。
●シータ(Theta)
一番着丈が長いモデルで、雨の中のハイキング等に向く。
機能性で名称が違う
「SL」や「AR」は機能性を表しているようです。
●SV(シビア)
防水透湿素材のゴアテックス「GORE-TEX」を3層構造にした生地を使用し、長時間の吹雪のような、過酷な自然環境に対応したモデルで、耐久性・防水性は全モデル中最上位クラスに君臨。
●AR(オールラウンド)
SVと同様に3層構造のゴアテックスを使用し、登山などの一般的なアクティビティの対応したモデル。
●LT(ライト)
こちらも3層構造のゴアテックス生地を使用するも、機能を最小限に留め、軽量化を実現したモデル。
●SL(スーパーライト)
ゴアテックス表裏の2層構造とし、中間の1層を省いたことで、更なる軽量化とコンパクト性を実現したモデル。
●MX(ミックスウェザー)
耐久性はもちろん、通気性と伸縮性を持たせたモデル。
●FL(ファスト&ライト)
高機能、軽量化を実現したモデル。
その他にも
●Gamma(ガンマ)
ソフトシェル
●Zeta(ゼータ)
軽量化を実現し、トレッキングや旅行等の使用を想定したモデル
●Atom(アトム)
中に保温素材が入ったモデル
●Squamish(スコーミッシュ)
ウィンドフレーカーの役割をするモデル
ここまでアークテリクスの製品についてご紹介させて頂きましたが、魅力が詰まったブランドだと改めて思いました。
ご覧頂きありがとうございました。